株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)と京都フュージョニアリング株式会社(代表取締役社長:小西哲之、以下 京都フュージョニアリング社)は、英国原子力公社(以下、UKAEA)より受注した、同社子会社の英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ(UKIFS)が主導する「STEP(Spherical Tokamak for Energy Production)」の開発に向けたフュージョンエネルギー(核融合)炉用高温超電導マグネット(以下、HTSマグネット)領域の研究推進プロジェクトにおいて、協業により第一ステージを完遂しました。
◆実施要件と体制*英国の「STEP」プログラムは現在、UKAEAの子会社で、2024年に設立された英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ(UK Industrial Fusion Solutions Ltd. / UKIFS)が主体として実行し、商業的なフュージョンエネルギーの実現を目指しています。
ご参考:フュージョンエネルギー業界におけるHTSマグネットの重要性
フュージョンエネルギー界における超電導技術については、国際プロジェクトとして進められているITER の世界最高峰の技術蓄積をはじめ、各研究機関や企業による研究開発が長きにわたり進められてきました。とりわけ日本の貢献度は高く、その背景には線材製作やマグネットの組み立て支持構造などにおいて世界でも有数の技術力を持つ量子科学技術研究開発機構(QST)等の研究機関や日系メーカーの存在があります。
一方、近年民間のフュージョンスタートアップを中心に、フュージョンエネルギーの早期実用化と商業化の機運が高まっています。その中で「ITERの設計研究を基盤に、より臨界磁場の高いHTSマグネットを用いれば、より小型に、かつ短期間で同等のプラズマ性能が期待できる」という考えのもと、HTSマグネットは革新的技術領域の一つとして、多くのフュージョンエネルギー関連企業によってハイレベルな開発が進められており、需要が高まっています。
本件に関するお問い合わせ先
京都フュージョニアリング株式会社 広報担当
Tel: Tel:03-4530-3706 E-mail:media@kyotofusioneering.com
株式会社フジクラ 広報担当
E-mail: wwwadmin@jp.fujikura.com
UKIFS (STEP) Communications and Engagement
E-mail: communications.step@ukifs.uk
英国政府機関は民間企業から調達する際、入札によって供給社と契約しており、この度、当社はUKIFSが進めるフュージョンエネルギー(核融合)炉開発のSTEP(The Spherical Tokamak for Energy Production)プログラムにおいて、高温超電導線材の供給社に選定されました。
フュージョンエネルギー炉では、核融合で発生する1億度以上のプラズマを維持するために閉じ込める必要があり、当社の高温超電導線材は、強磁場を生み出す高温超電導マグネットに適用されます。
英国の核融合炉開発においては、当社はこれまで英国原子力公社(UK Atomic Energy Authority:UKAEA)向けのフュージョンエネルギー炉用高温超電導マグネット領域の研究推進プロジェクトで京都フュージョニアリング株式会社と協業するなど研究開発に携わってきましたが、今回、新たに上記フレームワーク契約を締結しました。
今回の契約にあたり、UKIFSのコマーシャルディレクターであるSho Dutta氏は、以下のように述べています。
「STEPプログラムにおいて、フジクラと高温超電導線材に関するフレームワーク契約を締結でき、大変嬉しく思っています。この契約により、英国のプロトタイプ核融合発電所の実現と核融合エネルギーの商業的可能性を実証するという当社のプログラムは、さらに一歩前進します。各契約およびサプライヤは、英国の核融合技術の発展に貢献します。ノッティンガムシャーの施設では発電所の設計が完了し、まもなく建設が始まります。当社のチームは、核融合発電の実現に向け、フジクラと共に取り組むことを楽しみにしています。」
フュージョンエネルギー開発については、欧米はもとより日本でも国家戦略の改訂を検討するなど各国がエネルギー政策として取り組みを進めています。また、日欧米で産業化を推進する民間団体が設立されるなど、産業化に向けた活動も活発化しています。
当社の高温超電導技術は、コンパクトな核融合炉を実現するために重要な素材・製品であると考えており、当社は世界トップレベルの高温超電導製品および技術を通じて、核融合開発の推進に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組んでいきます。
※1 英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ(UK Industrial Fusion Solutions Ltd.:UKIFS)
英国の核融合プログラムを実行するために英国政府が設立した機関。ノッティンガムシャーのウェストバートンで、2040年までに球状トカマク型エネルギー核融合施設(STEP)を建設する予定。
2025年5月号のコンテンツ:
・ノンメタリック2000・3000心SWR®/WTC®ラインナップの販売開始
・切り折り紙構造を適用したFPCの開発
・JECA FAIR 2025 (第73回電設工業展)出展のご案内
・ケーブル型圧電センサの開発
被覆径200μm 8心SWR® |
ノンメタリックWTC® |
新製品「ノンメタリック2000心および3000心SWR®/WTC®」の構造
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従来型メタリック |
新型ノンメタリック |
新型ノンメタリック |
新製品「ノンメタリック2000心および3000心SWR®/WTC®」の断面構造
「ノンメタリック2000心および3000心SWR®/WTC®」の仕様
製品WEBサイト:
細径高密度型難燃ノンメタリック光ファイバケーブル
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※1 SWR® (Spider Web Ribbon®)
フジクラ独自の技術で開発した光ファイバリボン。単心光ファイバを間欠的に接着した構造で、柔軟性に富む特長を持つ。光ファイバケーブル内の高密度実装が可能で、光ファイバケーブルの細径・高密度化に寄与。
※2 WTC® (Wrapping Tube Cable®)
SWR®を実装した、フジクラ独自の技術で開発した細径高密度な光ファイバケーブルの名称。光ファイバリボンを押え巻きのテープで覆ったシンプルな構造の光ファイバケーブル。国内で主に使用されているスロット構造や海外で一般的なルースチューブ構造等、従来の光ファイバケーブルよりも細径高密度な構造であることから、既設の管路を使用でき大幅な工期の短縮が可能。
・SWR® (Spider Web Ribbon®) およびWTC® (Wrapping Tube Cable®) はフジクラの登録商標です。
]]>国立大学法人東京大学(総長:藤井輝夫)、およびStarlight Engine株式会社(代表取締役社長:世古圭)、京都フュージョニアリング株式会社(代表取締役社長:小西哲之)、電源開発株式会社(代表取締役社長 社長執行役員:菅野等)、日揮株式会社(代表取締役社長執行役員:山口康春)、株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)、古河電気工業株式会社(代表取締役社長:森平英也)、丸紅株式会社(社長:大本晶之)と他1社(以下、民間企業8社)は、「フュージョンシステム設計学」社会連携講座を2025年5月1日(木)に開設します。
社会連携講座とは、公共性の高い共通の課題について、大学と民間企業または研究機関などの学外機関が、それぞれの技術・知見を活かして共同で研究を実施する制度です。「フュージョンシステム設計学」社会連携講座では、核融合研究の第一人者である東京大学大学院新領域創成科学研究科の江尻晶教授を担当教員とし、2025年4月1日に新設した同研究科附属フュージョンエネルギー学際研究センターとともに、フュージョンプラントの設計について学術としての基礎を築くとともに、フュージョンプラントを構成する以下の要素などについて、産学連携で取り組みます。
・フュージョンシステムの高度化に向けた革新技術の研究
・フュージョンエネルギーの多様な応用可能性の検討
・法規制・規格基準の整備状況を踏まえた施設・機器の要件とその確立に関する検討
・その他、フュージョンエネルギーの実用化、社会実装にかかわる課題
このたび、Starlight Engine社をはじめとする民間企業8社とともに、社会連携講座を開設することを嬉しく思います。フュージョンエネルギーは脱炭素の切り札であり、次世代の持続的な社会活動に大きく貢献することが期待されています。日本の研究者が長年にわたり研究に携わってきた核融合研究が、いよいよ社会実装されていくフェーズとなったことに喜びを覚えるとともに、これを後押しする本取り組みが意義のあるものとなるよう尽力してまいります。
問合せ先
<社会連携講座に関すること>
東京大学大学院新領域創成科学研究科 フュージョンエネルギー学際研究センター
センター長 江尻 晶(えじり あきら)
E-mail:ejiri@k.u-tokyo.ac.jp
<報道に関すること>
東京大学大学院新領域創成科学研究科 広報室
Tel:04-7136-5450 E-mail:press@k.u-tokyo.ac.jp
Starlight Engine株式会社
E-mail:media@sle.energy
京都フュージョニアリング株式会社 広報担当
Tel:03-4530-3706 E-mail:media@kyotofusioneering.com
電源開発株式会社(J-POWER) 広報・地域共生部 広報室 報道担当
Tel: 03-3546-9378 E-mail: mediarelations@jpower.co.jp
日揮ホールディングス株式会社 経営企画ユニット広報グループ
Tel:045-682-8026
株式会社フジクラ 広報担当
E-mail: wwwadmin@jp.fujikura.com
古河電気工業株式会社 広報部
E-mail:fec.pub@furukawaelectric.com
丸紅株式会社 広報部 報道課
「ニュースリリースに関するお問い合わせ」
皆さん、入社おめでとうございます。
これからのフジクラグループを担う、若く、はつらつとした皆さんを迎えることができ、フジクラグループを代表して、心から歓迎いたします。
「進取の精神」と「技術のフジクラ」
当社は1885年、創業者・藤倉善八による個人企業としてスタートし、今年で創業140周年を迎えました。善八が電気の時代が来ると予見し、家業であった女性用ヘアバンドの製造技術を基に、「進取の精神」をもって電線事業を立ち上げたその挑戦の姿勢は、現在でもフジクラのDNAとして受け継がれています。当社はこれまで、「技術のフジクラ」として独自の技術を磨き続け、エネルギーや情報通信、エレクトロニクス、自動車電装など、多岐にわたる分野で"つなぐ"テクノロジーを通じて、顧客の価値創造と社会に貢献してきました。
中期経営計画について
現在、当社は2025年度を最終年度とする中期経営計画を推進中です。この計画では、高度情報化社会の実現に向け、当社のコア技術を活かせる「情報インフラ」「情報ストレージ」「情報端末」の3つを核心的事業領域と位置付け、それぞれの分野で先進的な製品やサービスを提供しています。
1つ目の「情報インフラ」は、AIやIoTなどのデジタル技術が暮らしや産業の隅々に浸透したスマート社会を支える基盤となる領域です。当社の革新的な光ファイバ・ケーブル技術を活用した光配線ソリューションにより、世界の情報通信インフラの構築に貢献しています。また、将来を見据え、高速無線通信を可能にするミリ波技術の開発にも取り組んでいます。
2つ目の「情報ストレージ」は、クラウドサービスや生成AIの普及拡大に伴い、膨大なデータを貯蔵するデータセンタ市場を対象とした領域です。昨今、データセンタでも大量の光ファイバが使われるようになり、当社は最大6,912心の光ファイバを実装した超多心光ケーブルによる高密度光配線技術を提供しています。さらに、現在はその倍となる13,842心の超多心光ケーブルの開発を進めています。加えて、ハードディスクドライブ用アクチュエータやCPU/GPU冷却用デバイスといった独自の電子部品技術により、データセンタの発展に貢献しています。
3つ目の「情報端末」は、高精細な電子部品、コネクタ、配線・実装技術を活用した領域です。この分野には、PC、タブレット、スマートフォン、ならびにAR/VRヘッドセット、スマートウォッチといったウェアラブル端末が含まれます。さらに、コネクテッドカーなどの次世代車も情報端末の一つと捉えています。当社は、多様でユニークな技術を通じて、これら革新的な情報端末の進化に引き続き貢献してまいります。
また、2025年の先を見据えた「Beyond2025」では、カーボンニュートラル社会の実現に向けた新規事業にも取り組んでいます。「高温超電導材料」「ファイバレーザ」「超高速充電技術」など、未来を切り開く技術開発にも注力しています。
昨年度は、生成AIの普及などを背景に情報通信事業が大きく成長し、エレクトロニクス事業、自動車事業、エネルギー事業も好調な業績を記録しました。その結果、2024年度の業績見込みは売上高9,400億円、営業利益1,240億円、経常利益1,220億円、当期純利益740億円となり、いずれの数値も過去最高となります。中期経営計画で掲げた業績目標は一年前倒しで達成の見込みです。今年度は、来年度からスタートする次期中期経営計画への布石を打ちながら、既存事業の強化、新規事業の創出、デジタル化の推進、ガバナンスの強化など、さらなる競争力向上に向けた取り組みを進めていきます。
新入社員の皆さんへのお願い
1つ目は、「自己研鑽を怠らないこと」です。世界を舞台に活躍するためには、知識やスキル、語学力を磨き続けることが不可欠です。与えられるのを待つのではなく、自ら考え、行動し、プロフェッショナルとして成長してください。2つ目は、「自分の可能性を信じ、挑戦すること」です。失敗を恐れず、何事にも積極的に取り組む姿勢が、新しい価値を生み出します。当社は、皆さんが働きやすい環境を整えますので、どうか高い志を持ってチャレンジしてください。
株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)は、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として、経済産業省と日本健康会議※から昨年に引き続き「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。
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当社グループは、「企業の競争力はそこで働く社員の良好な健康状態が基盤となる」という考えのもと、社会に必要とされる企業でありつづけるために、社員の「健康」が重要な経営資源であると認識しています。
このため、「社員が活き活きと仕事をしている企業グループ」を目指し、以下のような心身の活性化及び健康増進の取り組みを進めています。
フジクラグループが隔月で発行するニュースレター『Fujikura News(フジクラニュース)』。ここでは、グループの製品や技術開発、最先端の研究成果やグループ各社の様々な活動を紹介しています。フジクラグループのDNAである「技術のフジクラ」ブランドを掲げ、"つなぐ"テクノロジー™を通じ、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて走り続けています。
2025年3月号のコンテンツ:
・佐倉事業所 SWR®新工場が稼働開始
・「TitaniaBend PANDA PM Fiber」のサンプル出荷開始
・Data Center Japan 2025 出展のご案内
・「立体配線成形技術の開発」エレクトロニクス実装学会講演大会優秀賞を受賞
株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)は、800Gbit/秒以上の情報伝送が可能な次世代光トランシーバに対応した「TitaniaBend PANDA PM Fiber※1」を米国コーニング社※2と共同開発し、2025年度から当製品のサンプル出荷を開始いたします。
AIアプリケーションが急速に増加する中、より高速かつ大容量の光通信が必要になっています。高速大容量通信に必要な光通信ネットワークにおいては、電気信号と光信号を相互に変換する光トランシーバが使用されます。通信トラフィックの増加に対応するため、近年、光トランシーバの集積化と小型化が進められてきました。光トランシーバに使用される偏波保持光ファイバ(PANDA Fiber)は、限られたスペースに収納する必要があり、より小さな許容曲げ半径が求められています。
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図 PANDA Fiberの断面構造
株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)は、千葉県の佐倉事業所内に建設を進めていたSWR®新工場が竣工し、このたび稼働を開始しました。
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稼働を開始した佐倉事業所内の新工場
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開所式でのテープカットの様子
所在地 | 佐倉事業所(千葉県佐倉市六崎1440)所内 |
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建屋面積 | 約3000㎡ |
投資額 | 約100億円 |
Wrapping Tube Cable®、WTC®、Spider Web Ribbon®およびSWR®は、株式会社フジクラの登録商標です。
SWR®/WTC®製品紹介サイト:
MWCバルセロナウェブサイト:https://www.mwcbarcelona.com
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28GHzミリ波アンテナボード
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ライブデモのイメージ
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60GHzミリ波無線通信モジュール
当社ミリ波製品サイト:https://mmwavetech.fujikura.jp/ja/
2025年1月16日
株式会社フジクラ
フジクラグループが隔月で発行するニュースレター『Fujikura News(フジクラニュース)』。ここでは、グループの製品や技術開発、最先端の研究成果やグループ各社の様々な活動を紹介しています。フジクラグループのDNAである「技術のフジクラ」ブランドを掲げ、 "つなぐ"テクノロジー™を通じ、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて走り続けています。
1月16日発行の2025年1月号(No.502)では、
・データセンタにおけるCPU/GPU の高性能化・高密度化による発熱対策などのご要望に応え開発した、水冷設備の無い既設データセンタにも使用可能、水冷式の冷却効果に比肩する性能を持つ空冷式のタワー型ベーパーチャンバについて
・当社の細径高密度型光ファイバケーブル技術と多心光コネクタ技術で培った高性能かつ高品質な製品で構成された高密度MPOコネクタ配線ソリューションの販売開始について
・東京ビッグサイトで1月22日~24日に開催される「第11回ウェアラブルEXPO」への(株)フジクラプリントサーキットとの共同出展について
を取り上げています。
ぜひご一読ください。
2025年1月号のコンテンツ:
・新年のご挨拶
・タワー型ベーパーチャンバの開発
・高密度MPOコネクタ配線ソリューションの販売開始
・第11回ウェアラブルEXPO出展のご案内